◇農業と科学の夢乗せて
つくば市中心部から少し離れたパン屋「モルゲン」は、淡い黄色の洋風の店構えが目を引く市内の人気店だ。「パン屋からすれば夢のようなすてきな話ですよ」。甘く香ばしいにおいが漂う店内で、パン職人の菊地満店長(55)は温和な笑顔を見せる。菊地さんが言う「夢」のパンは店頭に並んでいた。つくばの研究機関で生まれ、 信長 rmt
市内で栽培された新品種のパン専用小麦「ユメシホウ」を使った商品だ。
つくば市では地元商工会が中心となり、つくばエクスプレス(TX)開業前年の04年から「パンの街つくばプロジェクト」と銘打った事業が進められている。市内のパン屋で地元食材を使った共通商品などを売る試みで、モルゲンも当初からの協力店の一つ。ユメシホウは、事業の将来
を左右する鍵を握る。
ユメシホウを生んだ農研機構?作物研究所では、事業が始まる前の90年代後半からパンづくりに必要なたんぱく質「グルテン」を多く含む関東?東海地区向けの小麦の育種を続けていた。製粉用小麦の中でパン用小麦は最も需要が高いが、国内自給率は1%未満。それも北海道産が多くを占め、関東で栽培できる粘り気の強い高品質のパン
用小麦の品種開発は悲願とされてきた。研究を活用したまちづくり提案に対し、10年越しで育種に携わった乙部千雅子上席研究員は「新品種普及の好機」ととらえる。「つくばは最初に花開いてほしい場所。ここから『夢』が『四方』に広がってほしい」と品種名の由来に新たな意義を込める。
プロジェクトを提案したつくば市商工会は当初、外国人住民が多 lineage2 rmt
いという国際的なイメージを売り出す狙いで「パンの街」構想を先に打ち上げ、基盤づくりを急いでいた。事業発足と前後して作物研究所の取り組みを知り、担当する浅野和男?指導部長(55)は「科学のまちならではの取り組みになる」と直感。すぐに関係各所と折衝し、市内でユメシホウを生産する足がかりを作った。育種が失敗した時の「保険」として始めた旬
の地元食材を入れたパンも予想以上にヒットし、地元食材に対する消費者の意識の高さを確信した。
結局、ユメシホウは事業開始から3年後の07年秋に品種登録された。今年度の栽培面積は5ヘクタールで、約15トンの小麦粉になる。全量を商工会が買い取り、希望するパン屋に安価で提供する。ユメシホウを使って焼いたパンは市内の学校給食にも出され rmt エイカ
た。増産と安定価格での供給が課題となる中で、市内に広がる耕作放棄地を使った生産拡大も検討している。
農業と科学技術はつくばを形作る基幹産業。浅野さんは、両方の要素を併せ持ったユメシホウで「首都圏で勝ち抜くための付加価値を勝ち取りたい」と言う。そのため、アピール層を70年代の研究学園都市開発以降に移住した「新住民」と、TXと並 rmt r2
行した住宅開発で呼び込んだ「新々住民」に絞る考えだ。「県内で人口が増えている数少ない地域。洗練されたイメージを打ち出し、つくばに住んでみたいと思ってもらえるようなPRを続けたい」=つづく
3月28日朝刊
【関連ニュース】
食を拓く:手さぐりの地域ブランド戦略/1 花豆「常陸大黒」 /茨城
マツクイムシ対策:クロ
マツ203号開発 4年ぶり3種目、松枯れに強い品種 /福島
リンドウ:新品種の愛称募集 /岩手
うるち米:「福島9号」を開発 収量多く、倒れにくく /福島
東北189号:耐倒伏性 県古川農試、新品種発表 大豆転作の復田に最適 /宮城
引用元:SEOブロゴ | 豊橋市
0 件のコメント:
コメントを投稿